2025/04/26 21:25
こんばんは。
桜の季節が終わりを迎え、気づけば間も無くゴールデンウィークです。
新緑の美しい5月。通常の日本の気候ならば、その後は梅雨入りし、夕立と落雷の後に夏が到来していました。
最近はそこの順番が乱れて、急に暑くなって「季節の変わり目」がなくなりつつあります。
今年はどんな「季節の変わり目」になるのでしょうか。
今、快適に過ごすために何が必要とされているのか、考えてしまいます。
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さて、今回のブログは、『SALUÉ のものづくり ー工場編ー』というタイトルです。
当ブランドの生産をお願いしている株式会社マーヤさんについて書かせていただきます。

高級婦人服を専門とする縫製工場、株式会社マーヤさんは、本社工場(足立区)と佐原工場(千葉県香取市)の2か所に縫製場があります。(千葉県の縫製場は難しいシルクなどを担当することが多いそうです。)
社長の菅谷智さんは2つの工場を毎週のように往復し、専務の正さんは東京工場で生産管理や裁断まで行います。
社長の奥様、菅谷恵さんは縫製スタッフさんを取りまとめ、常に現場で目を光らせています。
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数年前に困ったことが起こり、自分のブランドに合った工場を探すことになりました。ちょうどコロナが始まる1年くらい前になります。
リネンの裁断は、特にリトアニアで洗いをかけて届いたものなどは、裁断から工場さん泣かせで、様々な確認を迫られることがありました。うねりのある裁断しにくい状態では、コンピューター裁断は難しく、何度もお願いして対応してもらうことが続いていました。
都度なんとか仕上げていただいていたものの、ある時から自分のブランドにはもっと違う工場が向いているのではないかと思うようになりました。「手裁断している大きすぎない工場」「すぐに確認にいける距離感」そんなところをイメージしていました。
そんな時に、ある1冊の本が目に留まりました。
「ほどよい量をつくる」
著者 甲斐かおり
出版社 インプレス

この本に、株式会社マーヤさんがモデルケースとして紹介されていたのです。
「自分たちの仕事に誇りを持ちながら、クライアントに適正価格を提示して成功している工場」という内容でした。

これまで薄々感じていた違和感は、技術的な問題ではなく、直接工場まで出向いてもクリアにならない何かががあり、それをどうにかしないとと感じていたのだと思います。
違和感は「規模の問題」が大きいと勝手に思い込んでいましたが、それだけではないことがこの本でわかりました。
「ほどよい量をつくる」このことを実現するためのアイデンティティを持つ人々。
そのような人がいる新たな場所と繋がりたいと思うようになりました。
そこは私の居場所でもあり、ブランドの居場所でもあるのです。
こちらの工場が気になって仕方なくなり、この後すぐにマーヤさんに初めてメールを送りことになります。
(こんな流れで、私は初めてのところに一人で突撃していくことがとても多いのです)
その後、コロナ禍でその願いは実現し、マーヤさんとのお付き合いは現在に至ります。

ほど良い規模だからこそ、代表と現場の方と皆が一緒に話ができて、一度で共有できるという良さがあります。
この日は、前日に到着した生地を早速裁断して進めてくださっていました。
縫製スタッフさんと私のやり取りを、側で見守るように聞いてくださる専務の菅谷正さん。

新作の縫製について、仕様の確認をしています。
サンプルを見てもらい、スタッフさんのご意見を伺った上で、CAD屋さんで最終パターンのデータを進行してもらいます。
今後の縫製の打ち合わせを、生産管理も担当する専務と



マーヤさんには、裁断のための回転式のテーブルがあります。
クセのある生地は、この台を使い 地の目を整えたり、作業中にずれないように固定したりするそうです。
うねりのあるリトアニア産のヘリンボーンリネンは、よくお世話になります。


因みに、この日私が着ていたアイテムも、マーヤさんの縫製です。
マーヤさんで縫っていないものを挙げた方が早いくらい、様々なものをお願いしています。
シンプルなのに、シュッとして見える2つのアイテムは、美しい縫製があってこそ。
綺麗に並べられたブランドごとのファイル

この日は、リトアニアンリネンイージーパンツを裁断中でした。まもなく出番が多くなるアイテムです。

男性に向けて、新たなサイズ展開のサンプルも同時進行中。こちらは秋頃、pop upでお披露目できる予定です。


今月も来月も、マーヤさんで様々なアイテムを生産していただきます。
取材協力:株式会社マーヤ https://marya.tokyo/